コラムcolumn

つなぎ融資ってなんですか?詳しく解説します!

こんにちは、税理士の定本です。

事業を営んでいると「つなぎ融資」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。つなぎ融資と通常の融資は異なるのでしょうか? 今回はつなぎ融資の定義やつなぎ融資を受ける場面、つなぎ融資のメリットやデメリットについて考えていきます。

「つなぎ融資」とは何?

まず「つなぎ融資」について説明します。通常融資は「〇〇(設備)を購入したい」「大型プロジェクトで職人さんを雇うので人件費が必要」と言ったある程度事前に予測できるものですが、つなぎ資金は、緊急で資金が必要になったときに受ける融資になります。

急に機械が壊れて修理しないと事業にならない、売掛債権の回収ができず不良債権化してしまった、忘れていた資金の支払い期限が迫っている、このような場合に当面凌ぐための運転資金として「つなぎ融資」を受けることになります。

融資なので信用情報照会付きの審査があります。民間金融機関の場合よほど「お付き合い」しているところ以外は、実績がないため「つなぎ融資」を断られることもあります。

つなぎ融資として候補に挙がるのは

  • 日本政策金融公庫
  • ノンバンク系のビジネスローン

になります。

●日本政策金融公庫の融資

日本政策金融公庫は政府系金融機関なので、金利も低く、個別具体的な事情を斟酌してくれます。過去に自己破産歴がある事業者も審査に通ることがあるのが日本政策金融公庫なので、窮状に対して温かい対応が期待できます。ただし、審査に時間がかかるので、本当に「明日までにお金が必要」というケースでは利用が難しいでしょう。

●ノンバンク系のビジネスローン

ノンバンク系のビジネスローンは言い換えると「消費者金融」です。審査は早く、即日、あるいは翌日資金調達できることもあります。

しかし融資なので信用情報照会や実績の信用情報への記載があります。後日別の融資を希望しても、信用情報に「消費者金融の利用歴あり」と書かれていると、審査において大幅減点になってしまいます。この「消費者金融利用歴あり」という信用(できない)情報は数年消えません。

他に手段がない場合の最後の選択にすべきです。またビジネスローンは融資上限が低く(おおよそ1000万円)事業規模によっては「焼け石に水」レベルになる可能性もあります。

つなぎ融資のメリットとデメリット

つなぎ融資を受けないと事業の存続にかかわるような事態の場合、いやおうなしにつなぎ融資を受けることになります。

つなぎ融資のメリットとデメリット(注意点)について確認しておきましょう。

●つなぎ融資のメリット

つなぎ融資には、事業の資金面をサポートするうえで有効な特長がいくつかあります。

・倒産リスクの軽減と資金の安定化

まず大きなメリットとして、つなぎ融資を活用することで資金不足による事業停止のリスクを減らすことができます。

資金が安定することで、人の確保、物の確保ができ、経営が安定します。

・手元資金を保持できる

資金繰りが厳しい場面で自己資金を使うのではなく、外部の資金を活用することで、キャッシュ(自己資本)を温存できます。

仮に現金が残っていたとしても、先行き不透明な時期には無理に使わずに済むよう、備えを残しておくことが望ましいです。

つなぎ融資を利用すれば、手元資金を減らすことなく経営のバランスを保つことが可能です。自己資本は本当に最後の最後の方法にします。

・金融機関との信頼構築につながる可能性も

つなぎ融資により金融機関と「お付き合い」が増え、その金融機関から「お得意様」とみなされる可能性があります。お得意様になればサービスが良くなります。

この結果、以下のような恩恵が得られることもあります。

  • 融資条件が優遇される可能性が高まる
  • 財務面の不安要素に対する指摘が減り、審査に通りやすくなる
  • 将来的にある程度の無理を聞いてくれるようになる

少額の「つなぎ融資」を続けることで、その金融機関からの評価が良くなるかもしれません。

●つなぎ融資のデメリット

つなぎ融資にはメリットが多くありますが、利用前に気を付けるべき点、デメリットも存在します。

・高利で条件悪い融資になるかも

急な融資に応じるので、その分審査に時間がかけられず利息が高くなる可能性があります。

短期間での返済を求められるタイプや、高金利の商品を選んでしまうと、思わぬ負担につながる恐れがあります。

金額や着金スピードだけに目を向けるのではなく、全体的な条件を総合的に見極めましょう。

・資金の使い道をはっきりさせないといくらでも融資が必要になる

融資を申し込むにあたっては、何のために資金を必要としているのかを明確にしておくことが肝心です。

無計画に借り入れを行うと、必要以上に資金を使ってしまったり、思わぬ浪費につながったりするリスクもあります。

融資漬けが恒常化し、いつまで経っても自社のキャッシュフローが改善しなくなります。

「融資」以外の他の選択肢も視野に入れよう

つなぎ融資だけに頼るのではなく、他に実行可能な手段がないかも検討しておくと安心です。

例えば売掛債権を早期に現金化する「ファクタリング」ならば、融資ではないので信用情報に影響を与えません。

ファクタリング手数料は融資の利息と比べて高めですが、最小限の利用で、自社の信用情報に影響を与えないで「つなぎ融資」相当を調達できるのでメリットがあります。

それ以外にも、資金調達手段はあります。つなぎ融資が第一選択になるのは問題ありませんが、それ以外の緊急時の資金調達方法を知っておくのも大切です。

それらの可能性を含めて比較したうえで、つなぎ融資が最も適しているのか判断することが重要です。

「つなぎ融資」をうまく使うことで、経営上のピンチを切り抜けましょう。

いかがでしたか。

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