コラムcolumn

日本政策金融公庫の融資について解説します

こんにちは、税理士の定本です。

政府系金融として知られている「日本政策金融公庫」ですが、その融資は民間金融機関(銀行や信用金庫)とどこが違うのでしょうか? 今回は日本政策金融公庫の融資について、その特徴を中心に解説します。ぜひ知っていただき、民間金融機関とともに、みなさまの資金調達の選択肢にしていただければと存じます。

国民生活金融公庫から日本政策金融公庫へのリニューアル

日本政策金融公庫はかつて「国金」(こっきん)と呼ばれる政府系金融機関「国民生活金融公庫」でした。国金は中小企業金融公庫などと同じように政府系金融機関の1つとして知られていました。

しかし、2000年代の「構造改革」の中で、政府系のさまざまな組織が整理統合される中で、

2008年に国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融が解散し、「株式会社日本政策金融公庫」に業務移管されました。

現在も日本政策金融公庫という看板は変わりましたが、実際には国金(個人事業主やフリーランス、小規模事業者)が扱っていたメニューはほぼ踏襲され、中小企業(かなり大きな法人向け)とは区別されています。おそらく、この記事を読んでいる事業主様の多くは、「国民生活事業」(旧国金管轄)の融資メニューが対象になるはずです。

日本政策金融公庫の融資の特徴

日本政策金融公庫の融資(主な業務)は、中小企業や小規模事業者、個人事業主やフリーランスへの貸付け(融資)になります。

「○○銀行」「△△信用金庫」など他の民間金融機関と比較すると、貸付金利(利子)が低いのが大きな特徴になります。

国金から日本政策金融公庫になる中で、株式会社されたため、法的には日本政策金融公庫も民間金融機関ではありますが、郵便局からゆうちょ銀行に変わった郵政民営化のように公的なリニューアルの色彩が強く、政府系金融機関なのは変わりません。

それでは日本政策金融公庫の融資にはどのような特徴があるのか、本題に入っていきます。

●借入金利が安い

日本政策金融公庫の融資は税金が投入されているため、一種の「利子補給」が常になされている状態になります。

日本政策金融公庫の融資利率は、他の民間金融機関の利率よりも1ランク安く、2025年9月1日現在の利率は以下のようになっています。

0.90%~4.40%

他の民間金融機関の場合、現在は最少でも2%台というところが多く、諸条件を満たす前提ですが、ゼロ金利政策が解除されても1%未満の金利の可能性があるのは、日本政策金融公庫の融資くらいなものです。

税金によって、金利の一部を下げて、小規模事業者や個人事業主やフリーランスにやさしい融資を実現しています。

●50種類以上も貸付制度がある

日本政策金融公庫では、企業の状況や事業内容に応じて利用できる融資制度が数多く用意されています。50種類以上の選択肢があるため、自社の資金ニーズに合った制度を見つけやすいのが特徴です。

民間の銀行や消費者金融を利用する前に、まずは日本政策金融公庫に相談しても良いでしょう。日本政策金融公庫の支店は全国に約150あります。

●7200万円まで融資を受けられる

日本政策金融公庫の「国民生活事業」における融資の最大は7200万円です。中小企業(名ばかりでかなり大きい)向けの事業はそれよりも高額ですが、旧国金管轄の事業主様の場合、7200万円が最大になります。

これだけの融資限度額があれば、かなりの事業主様は他の金融機関に頼らなくても資金調達できるはずです。

●中小企業だけでなく個人事業主も融資を受けられる

日本政策金融公庫の融資は、法人だけでなく個人事業主も利用可能で、審査基準も中小企業向けとほぼ同等です。特に、民間銀行で融資を断られやすい小規模事業者や起業したばかりの方にとって、心強い資金調達先となっています。

さらに、国の支援を目的として税金を活用しているため、リスクを踏まえたうえで柔軟な対応がとられています。審査ではマイナス要素を減点する方式ではなく、事業の将来性や成長の可能性などプラス面を重視する加点型の評価を行っているのが特徴です。

●民間で断られるような事業者にも融資が出る可能性がある

日本政策金融公庫の考え(政府のポリシーを反映)は、民間金融機関のように厳格に審査をして、審査に落ちそのまま倒産してしまうよりも、多少審査を緩くしても、お金を貸した方が最終的に倒産リスクは減るということを念頭にお金を貸します。

もちろん「事故」(返済できない、倒産する)こともありますが、それを税金で補填しても、経営力が弱い小規模事業者や個人事業主やフリーランスに融資した方が、最終的に生き延びられるという考えです。

容赦なく審査で落として、自己破産や生活保護に陥るよりも、税金を投入して救った方が社会政策的にも正しいという、利益だけでない政府系金融機関の役割になります。

民間金融機関と並行して日本政策金融公庫にも相談してみよう

日本政策金融公庫に融資は

・金利が民間金融機関より低い

・審査基準が民間金融機関より緩い

という特徴があります。民間金融機関から融資を受ける前に日本政策金融公庫に行くのが、コスト的にも正しい選択になるかもしれません。

消費者金融から融資を受けた事業者の多くは、その前に日本政策金融公庫に相談していません。審査基準がそれほど変わらないのに、天地の差ほどある金利の高い方を選んでしまうのは非常にもったいないです。

地域の民間金融機関との「お付き合い」も重要ですが、単純に金利や審査通過率を考えれば、まず日本政策金融公庫の融資を考えるのは理にかなっています。

弊社は日本政策金融公庫様と懇意にさせて頂いております。

融資のご相談がございましたらご紹介させて頂きますので、お気軽にご連絡くださいませ。

いかがでしたか。

弊社では「融資申込時のアドバイス」を行っております。
そのほか「金融機関への紹介」「法人設立サポート」「経理代行サービス」にも力を入れております。

また弊社K&P税理士法人は認定支援機関に認定されておりますので、安定したサポートを提供させて頂きます。

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