無借金経営のメリット・デメリット
無借金経営のメリット・デメリット 2026.2.17
| こんにちは、税理士の定本です。 無借金経営はメリットばかりではない!?メリットとデメリットをわかりやすく解説します! | ![]() |
経営する際には「無借金経営」が良いとみなさま思われる方が多いはずです。借金(融資を受ける)がなければ負債もないので、決算書上の評価も良く、メリットしかないと思われがちです。
しかし、無借金経営にはメリットだけではなくデメリットもあります。今回は無借金経営のメリットとデメリットについて考えていきましょう。
「無借金経営」とは何?簡単におさらいします
無借金経営におけるメリットとデメリットを考える前に「無借金経営」というものの定義について簡単におさらいしておきましょう。
「無借金経営」とは銀行融資や社債発行などの外部からの借入に依存せず、負債を抱えない形で事業を運営している状態を指します。「融資をはじめとする借金(負債として計上)を一切受けない経営」と言い換えても良いでしょう。
なお、株主やベンチャーキャピタルから資金提供を受けている場合でも、元本の返済義務が発生しない「出資」のみであれば、借金をしていない経営形態と捉えられるケースがあります。
しかし、出資には経営への関与や株式の譲渡条件など、返済以外の制約が付随することが一般的です。そのため、形式上は負債がなくても、完全に自由な無借金経営とは言い切れない場合もあります。
株式会社東京商工リサーチの「2023年 全国『無借金企業』調査」によれば、無借金企業の数は全体の2割強にすぎません。
このデータから見ても、「無借金経営」を実現できているのはあくまで少数派になります。
無借金経営のメリットとデメリット
本題に入ります。無借金経営には負債にならないなどメリットも多いですが、実はデメリットもあります。それぞれ簡潔にまとめました。
〇無借金経営のメリット
まず、無借金経営のメリットについて4点紹介します。
・返済に追われることがない
無借金経営ができると言うことは、必要な資金が融資に頼らなくても足りていると言うことになります。
言い換えれば、資金繰りが安定しています。融資に頼らなくてもキャッシュに余裕があるので、返済期限や利息の支払いを考える必要もありません。
そのため、毎月のキャッシュフローに余裕が生まれ、景気変動や売上減少時でも経営が揺らぎにくくなります。
・経営判断の自由度が増す
2つ目は、経営判断の自由度が高いことです。金融機関からの借入がないため、融資条件や財務制限に縛られず、自社の方針に沿った意思決定が可能になります。
自由に使えるお金が多い無借金経営ならば、社長判断で思い切った経営戦略を取れ、時宜に合った適切な経営判断が可能になります。
・決算書上の評価が良くなる
3つ目は、財務体質が健全に見られやすい点です。無借金経営ならば負債がないため、貸借対照表にも負債が計上されないのは誰の目から見てもわかります。
負債がない企業は、取引先や顧客からの信用を得やすく、長期的な取引関係の構築につながります。また、融資を受ける際にも金融機関の評価が良くなり加点要素となります。
負債がないのですから、融資を受けたとしても返済できる可能性はとても高くなるからです。
・倒産リスクが減る
融資がない無借金経営では、返済する負債もありません。したがって、返済できず不渡りを起こして倒産してしまうリスクも減ります。
手元に潤沢なキャッシュがあれば、売掛債権の回収ができず「黒字倒産」を引き起こすリスモも減ります。
経営に際して負債があることで生じるリスクを大きく減らせるのが、無借金経営の大きなメリットだとも言えるでしょう。
〇無借金経営のデメリット
一方で、実は無借金経営にはデメリットもあります。こちらも4点紹介します。
・成長機会を逃しやすい
無借金経営では、事業に使える資金が自己資金に限られるため(出資は別)、設備投資や新規事業への迅速な対応が難しくなります。
市場環境が急変した際や、大きなビジネスチャンスが到来した場合でも、十分な資金を確保できなければ参入を見送らざるを得ません。結果として、事業拡大のスピードが遅れ、競争力低下につながる恐れがあります。
・資金繰り悪化・倒産リスクが高まる
無借金であっても、常に安定した利益が出るとは限りません。一時的な赤字や支払時期の集中、売掛金の未回収などが起これば、手元資金が不足する可能性があります。
融資、借入という選択肢を持たない状態では、突発的な資金不足に対応できず、最悪の場合は倒産リスクを高めてしまいます。
・金融機関からの信用実績を築きにくい
融資を受けた経験がない企業は、金融機関へ返済能力や信用力を示す実績が蓄積されません。そのため、将来まとまった資金が必要になった際、金融機関から慎重に判断され、融資までに時間がかかったり、条件が厳しくなったりすることがあります。
少額でも金融機関から融資を受けて「お付き合い」しておくことが重要になる場面も想定されます。「お得意様」まで行かなくても、ある程度地元の金融機関とは最低限の付き合いをしていた方がいざと言うときに助かるかもしれません。
無借金経営にこだわった結果として、資金調達の選択肢が狭まる可能性があります。
・人材確保や組織強化が進みにくい
企業の成長には人材投資が欠かせませんが、無借金経営に固執すると、採用活動や人材育成に十分な資金を回せないケースがあります。
求人広告や採用施策に費用をかけられず、人材不足が続くことで事業の成長が停滞し、長期的な競争力低下につながる恐れがあります。
必要に応じて融資を受けることも検討を!
無借金経営はメリットも多く、経営者のポリシーとして大いに共感できるものであります。広告や人材採用も不要で、少人数で健全経営を行っている場合、無借金経営のデメリットもあまり該当しないかもしれません。
一方、一定規模の会社の場合、よほど潤沢なキャッシュがあれば別ですが、そうでない場合いざと言うときのために、金融機関とのパイプ、コネクションを持っておくことも大切と考えます。
ポリシー、経営哲学として無借金経営を掲げ、それで会社が回っているなら問題ありませんが、そうでない場合、すぐに融資を受けなくてもいざと言うときのための選択肢位は知っておいても良いはずです。
繰り返しますが、無借金経営で会社が成長しているなら素晴らしいことです。
いかがでしたか。
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