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自宅兼事務所にできる?ポイントや注意点をお伝えします!前編

こんにちは、税理士の定本です。

開業する際「自宅開業」という方法があります。外に事務所を借りずに、自宅を事務所、本社とするものですが、実際に自宅兼事務所、自宅兼会社という事業主様もいらっしゃいます。   ここでは2回にわたって自宅兼事務所にできるかどうか、その際のポイントや注意点について解説していきます。1回目は「前編」として自宅兼事務所のポジティブな面について説明します。

自宅兼事務所は「できる」

自宅兼事務所で事業を行うことは「できます」。自宅の一室を事務所にして事業を行うことは一般的であり、法的にも問題ありません。

自宅でできるライターやデザイナー、SE、プログラマーなどであればまったく問題ありません。建設業の「一人親方」も自宅兼事務所にしていただいて構いません。マンション経営をする大家さんは自宅兼事務所の人が多いです。

ネットショップの中には在庫倉庫を自宅倉庫や自宅の一室にしている人もいます。運送業でも「赤帽」など小回りが利き、自分1人でできるものなら自宅兼事務所で構いませんし、自宅の一室を飲食店に改装すれば、自動的に自宅兼事務所になります。

もちろん、業種業態、従業員数によっては自宅兼事務所が不適当なものもあります。しかし、会社設立登記上の本店を自宅にして、別途店舗や事務所を用意するという意味での自宅兼事務所は可能です。

自宅兼事務所で開業する方法

自宅兼事務所を開業する方法は、個人事業主と会社設立で異なります。基本的に本店を自宅にすればOKです。

・個人事業主として自宅兼事務所を設立する場合

税務署に提出する開業届の「納税地」を自宅兼事務所にすればOKです。確定申告時も住所を自宅兼事務所にすれば問題ありません。

・法人として自宅兼事務所を設立する場合

こちらも会社設立登記について、「本店」を自宅兼事務所にすれば問題ありません。「役員に関する事項」にある役員の住所が本店(自宅兼事務所)と同じになりますが、それも問題ありません。

法人設立の流れは以下になります。

 株式会社設立の流れ
ステップ1商号(社名)や事業目的、資本金、社員(役員)等を決める
ステップ2定款を作成する
ステップ3定款を公証役場で認証する(合同会社は不要)
ステップ4社印を作成する
ステップ5資本金を振り込む
ステップ6法務局へ行き会社設立登記をする
ステップ7設立登記後社会保険や年金の手続きをする(これで株式会社設立の手続き完了)

自宅兼事務所のメリット

自宅兼事務所は「自宅開業」であり、開業時のコストを削減できるだけでなくさまざまなメリットがあります。自宅兼事務所にするメリットについて紹介します。

・外に事務所を借りる費用を削減できる

外に事務所や店舗を借りれば、当然その家賃や光熱費がかかります。自宅兼事務所ならば、その費用が丸々浮きます。

・自宅の家賃や光熱費を経費にできる

外部物件の費用を削減できるだけでなく、自宅兼事務所の場合、自宅や家賃や水道光熱費を経費として計上でき、課税所得を下げられます。

ただし、自宅の費用全額経費にすることはできず、使用比率に応じて按分となります。

家賃10万円の自宅なら、経費にできるのは3万円前後でしょうか。それでも、一部でも経費にできるのはとても助かります。ただし、仕事に関わる経費のみです。つまり、自宅兼事務所の場合、家賃や電気代、インターネット通信費は経費にできますが、ガス代は難しいことになります。仕事で電気は使いますがガスは使わないからです。

・自宅兼事務所なら事業用物件ではなく居住用物件になる

外部に事務所や店舗を借りる場合、事業用物件になるはずです(マンションを「住む」と言って借りるのは本来NGです)。居住用物件は非課税(消費税なし)ですが、事業用物件は「家賃+消費税」になります。

事業用物件は敷金や礼金が居住用物件よりも高い、退去の場合の連絡期限が早い(6か月前、居住用は1か月前)など、マイナス要素があります。

自宅兼事務所の場合、居住用物件なので事業用物件に発生するさまざまなコストがなくなります。

・在宅ワークでワークライフバランスが保たれる

自宅外に事務所がないので、職住近接どころか職住一致です。通勤時間ゼロ、仕事が終わればすぐにプライベート時間になります。

満員電車に乗る必要もなく、通勤交通費もかかりません。全部仕事が自宅兼事務所で完結できます。ZOOMなどを使えば、客先との打ち合わせも自宅でできます。

開業資金が厳しいならまず自宅兼事務所で開業しよう

このように自宅兼事務所は開業にかかるコストを大きく減らせます。自分だけで開業する、「1人会社」を設立するなど、人件費をかけずに自宅の部屋で仕事ができるならば、外部の事務所や店舗を借りずに、自宅兼事務所で始めるのもリスクヘッジになります。

外部事務所は売上が伸び、人を雇うなど事業規模が拡大してからでも十分間に合います。まず、ご自身がやりたいことを低コストで始められるかどうか、その1つの方法として自宅兼事務所をご検討ください。

後編では自宅兼事務所のデメリットや注意点について解説します。

いかがでしたか。

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